犬
ポストスクリプト


  編集後記のようなものです


 


2013年12月31日 tue.
こんにちは、こんにちは。
気がつけば、近頃めっきり
月に1〜2度の更新ペースになっていました。

夏から目の疲れや首の凝りがつのっていて、
仕事以外でパソコンに向かう時間を減らそう。
と、ニュースの記事をあれこれ飛んでみたり、
よくノックしていたサイトやTwitterを
見るのをやめてみたのです。
(調べものにはもっぱら使ってますよー)


見ていたときは見ていたときで
いろんな情報を得ている楽しさがあったのですが、
見なくなったら見ないで、
大きな変化はなく。
ちゃんと生活は存在(続行)しています。
新しい習慣は思っていた以上に気持ちよかったのでした。
(目や首にも)

昨年につづき今年も新しく経験する出来事があったりで
なかなか広報活動に手が回っていないのですが、
それでも時に思い出して
来てくださった方がいらっしゃいましたら、
ほんとうにようこそ。
ありがとうございます。

またページづくりしていきたいと思っておりますので、
遊びに来てね。

この一年もありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください。
またすぐお会いしましょう。
ゴ〜〜〜ン。

     葉ボタン

2013年11月16日 sat.
10月初旬、松本に立ち寄りました。
冬が寒くて城下町……
生まれ育った町と重なるところがあって、
学生時代に初めて訪れたときから
松本は好きな街のひとつです。

その少し前に読んだ
ほしよりこさんの旅日記『山とそば』 。
随所に声を出して笑ってしまうおもしろさで、
その中に松本が出てきて
久しぶりに訪れたくなったのでした。

草間バス

美術家の草間彌生さんは松本出身。
草間モデルのバスが走っていました。

数年前、松本に来たとき入った松本市はかり資料館
今回、中には入らなかったのですが、
ウィンドウのディスプレイが可愛らしかったので
思わず立ち止まる。

松本市はかり資料館

博物館の類って色っぽくないイメージがあるのですが、
この資料館の外観はお店っぽいというか、
ふらっと立ち寄りたくなるところがあって、
こういうアプローチはいいな~と思いました。

軽く歩き回ったあと、
「珈琲 まるも」で、ひと休み。
まるで神保町の喫茶店にいるかのよう。
心地よくて、予定より長居してしまいました。

松本の前には、鹿教湯
(かけゆ)温泉で一泊しました。
逆行して、次回は温泉旅館話をお届けする予定です。

                 (つづく)


2013年11月14日 thu.
土佐犬やら柴犬やら何気に登場しているこのページですが、
10月、
茅野の本屋さんで見かけた犬です。

いぬ

犬の遠くを見てるような
(見てるかどうかはわかりませんが)
佇まいを見ると、
つい足が止まってしまいます。

茅野に立ち寄ったのは、
茅野市民館にあるトイレの絵文字の写真を撮るため。

茅野市民館トイレ

カプセルのような個室トイレ。
大きな絵文字で「トイレ」と一目でわかります。
こんなとき改めて(トイレの)絵文字の定着を感じます。

こちらは個室
(男女共用)なので、
無彩色の絵文字でも
(色の区別がなくても)
間違えて入ってしまう人の
心配はしなくてもよさそうですね。

ところでこちらの市民館には
自然光たっぷりの図書室も。

茅野市民館図書室

この日は曇りがちなお天気でしたけど、
それでも開放感あって気持ちよさそうでした。

いかんせん日当たりがよすぎて
表紙の本が軒並みあせて水色
に。
本作りの仕事をしていた身としては
「焼ける・焼ける・本が日焼ける〜」と
落ち着かない気分になったりもしたんですけどね。

茅野の前には松本へ立ち寄ってきました。
逆行して、次回は松本だよりをお届けする予定です。
                 
(つづく)

2013年11月9日 sat.
終わりましたね、日本シリーズ。
逆に、巨人の菅野のファンになりそうでした。
楽天では、岡島、藤田、聖澤、美馬……と
応援したくなる人が。
ふだん野球を見ない身には
知らなかった選手に出会えるのも
日本シリーズの魅力のひとつです。

野球解説者の田尾安志さんが
「応援したくなる選手」と話していた
黒田博樹さんの『決めて断つ』を読了。

決めて断つ

  広島カープ時代、FA権を取得した2006年、
 「他球団のユニフォームを着て、
  広島市民球場でカープのファン、
  カープの選手を相手にボールを投げるのが
  自分の中で想像がつかなかった」
  と、FA権を使わず広島に残ることを決めた記者会見での言葉は
  いま思い出しても涙出そうになります。
 (自分のことでもないのになんで?)




2013年10月29日 tue.
始まりましたね、日本シリーズ。
この舞台で東北楽天ゴールデンイーグルスを見られる日が来るとは。

田中将大が入団して以来、
ひそかに応援してました。
「出来てまだ何年もたってない球団なので
 これからいろいろな歴史を刻めていけたらいいと思います」
ドラフトで楽天に指名されたときのコメントを思い出し、
ほんとうに歴史というか、記録を作ったんだなぁ。
と、感慨もふかぶか。

初戦が始まったときは、中継みながら胸が高鳴る〜。
サッカー日本代表が初めてワールドカップに
出場したときを思い出しました。

則本の柴犬のような凛々しい面構えと投げっぷり、
素晴らしかったですね。

第二戦では、大きいほうの柴犬・田中の登場で、
胃液があがってきそうな緊張感。
(自分のことでもないのになんで?)

駒大苫小牧高時代からその面構えを見てファンに。
しかし、若くしてあのおっさんぷりといい、
困った柴犬の小犬のような表情、
投げる瞬間の、興福寺の金剛力士立像のような表情といい、
見ていて飽きません!
(犬見てるときと同じ)

顔といえば、もう一人言わせて、アンドリュー・ジョーンズ。
3月のWBCのオランダ戦でお見かけして以来、
なに、この素敵な方は? 
チェキラッ。

だって、打席に立ってるのに微笑んでるんですもの。
すごくリラックスして見える。

メジャーでも尊敬されていた人、
しかも今期から楽天に移籍と聞いて、
楽天応援ムードに拍車がかかりましたよ。
こちらは柴犬に対し、大きな洋犬の愛らしさといったところでしょうか。




2013年9月22日 sun.

土佐犬日記

最近、体質改善のため
温熱療法というのをやっています。





  土佐犬日記

あたたまると、こう、なんか、
じわ〜っと免疫力UPするような。
身体の底から静かな力が
じわじわ〜っとわいてくるような。


オレはやるぜ、オレはやるぜ。(by『動物のお医者さん』)


  土佐犬日記

さて、ある8月のお昼、
たんねんに温めていたところ、
なんかボーッとしてきました。




   土佐犬日記

はっ。我に返る。

今日って猛暑じゃん?
しかもあったまった部屋で
(冷房嫌いなので)
何やってるの?


土佐犬日記

お水のんだり
頸動脈のあたりに保冷剤あてたり
エアコンきかせた部屋で休んだり。

しかし夜になっても
身体にこもった熱は
なかなか冷めませんでした。



  土佐犬日記

事なきを得ましたが
あぁ、こうやって人は熱中症で運ばれるのね……
と、三歩手前ほどを体験。
石になった気分でした。
ステーキとか焼けそうな。


   *   *   *

「男もすなる日記といふものを……」
で始まるのは『土佐日記』。
人もすなる日記というものを、犬もしてみむとてするなり〜。
土佐犬日記の登場ですよ〜。

2年前、絵本のキャラクターとして描いた
愛着ある土佐犬のリュウジロウをふと思い出して
描いてみました。
(どこいったー、クマ日記

わたくしの顔をご存じない方、
ちなみに私は土佐犬には似ていませんよ。




2013年8月7日 wed.
7月の高原だより、後編です。

夕食前、ベランダに出たところ、
ベランダの手すりに不気味な突起物が。

セミ

夜の7時前。
まだうっすら明るい頃。

うにょ〜ん。
エイリアンみたい。


近づいて見ると、セミの抜け殻らしきものが。
どうやら羽化まっただなかのセミのよう。
初めて立ち会う瞬間に静かに興奮。

3時間ほどして真っ暗なベランダに出てみると……。

セミ

夜の10時ごろ。
羽根が透き通ってきました。

緑のゴム製のおもちゃみたいな質感。




ストレス与えてごめんね。
でも、ここに来たのも巡り合わせ、かんねんしてね。
と、ライトで姿を確認。

明け方4時に目が覚めたので、またそっとベランダへ。
そこには抜け殻だけが。
鳥などの外敵に見つからないよう
暗いうちに飛びたったんだろうなぁ。
と、自然の摂理にしみじみ。

セミの抜け殻

これは朝の7時ごろ。

さよなら、さよなら。




と、旅出ちに感動していましたら……
抜け殻から2メートルほど離れたところに
微動だにしないセミが。

セミ

ほんのり緑色の羽根の色といい
頭のWマークといい、
昨日のセミと思われます(推測)。


昨夜与えたストレスのせいなのか、
もともと弱い体質のコだったのか。
飛び立てなかったの?

そわそわ、ときどきベランダへ。
すると数時間後、若干庭側に移動しているのを発見。

セミ

動いた!
生きてた!


ですが、またまたおじゃましてすまないね。
こちらにはこちらの暮らしがあるんでね。
と、セミをよけて、布団を干し始めました。
セミの右隣に1枚、
セミの左隣にも1枚と運んだところで、
セミはシャー。
斜め前方へ飛び立ってゆきました。

羽化の瞬間のみならず、
羽ばたきの瞬間にも立ち会えて、
またまた静かに感動。

弱ってたせいかもしれませんが、
飛び立つまでの準備期間というのが必要だったのかも。
(生まれたてですもの)

ふぅ。夏の一夜の自由研究を終えた気分です。
以来、セミを見かけるたび、
親近感がとーまーりーまーせーん。




2013年8月3日 sat.
7月の高原だよりを東京からお届けします。

長坂町にあるオオムラサキセンターへ行ってみました。

オオムラサキって、日本の国蝶なんですって。
北海道から九州まで広く生息していることが
国蝶に選ばれた決め手のひとつだったそう。
(選んだのは日本昆虫学会さん)

まず、蝶の標本を見て「きれい〜」。
蝶以外の標本も取りそろえてあるので
虫好きの人にはこたえられないかも。
私はもうおなかいっぱいです。

標本だけでなく、
生きているオオムラサキも見ることができました。



2013年8月3日 sat.
7月の高原だよりを東京からお届けします。

長坂町にあるオオムラサキセンターへ行ってみました。

オオムラサキって、日本の国蝶なんですって。
北海道から九州まで広く生息していることが
国蝶に選ばれた決め手のひとつだったそう。
(選んだのは日本昆虫学会さん)

まず、蝶の標本を見て「きれい〜」。
蝶以外の標本も取りそろえてあるので
虫好きの人にはこたえられないかも。
私はもうおなかいっぱいです。

標本だけでなく、
生きているオオムラサキも見ることができました。

オオムラサキ

青がきれい。

やっぱりナマモノを見ると
わけもなく興奮します。




日本で一番日照時間が長いという
明野のひまわり畑へも。

ひまわり畑はどこ? と向かっていくと……
遠くに異様に黄色い一角が。

自然の色というか、黄色のというか、
群生
(集団)の威力を感じました。
しかも、いっせいに目玉がこちらを向いているような
どこか原始的な不気味さが。T A R O !


見渡すかぎり一面のというよりは
人為的につくられた一角の感は否めないのですが、
それでも近づいて見ると、
やっぱり黄色と群生の迫力を感じました。
何でも一度は見ておくものだと思いました。

明野のひまわり畑
明野のひまわり

日陰プリーズの快晴の日、
日本一の実力も肌で感じました。

そしてその日、
私は生まれて初めてあるものに遭遇しました。
              (つづく。またも)



2013年7月27日 sat.
さてさてフィナーレです、
6月の長野へめぐり日記。ドドドン。

飯山の渋いスポットを堪能したあと、
長野市の善光寺へ。

「遠くとも一度は詣れ善光寺」と
古くから全国的に親しまれているお寺。
(インドでいうとバラナシの存在に近いのかな〜)
一度は行ってみようと訪れました。
しかも国宝ですしね(国宝大好き。水田も好き)

大きなお寺の包み込むような清々しい空気と賑わいは
あいにくの雨でも楽しかったです。


門前もにぎわっていました。

善光寺の名物、「お戒壇めぐり」も体験しました。
本堂の床下にある真っ暗な回廊を手さぐりで進み、
「極楽のお錠前」と呼ばれる鍵に触れて戻ってくると
御利益があるというもの。

MRIに入ったとたんブザーを押してすぐ出て来た過去ありの
暗くて狭いところはもっぱら御免人間。
まったく行く気はなかったのですが、
「ゆくぞ〜」と連れられ、あ〜れ〜。

入り口のところで、ちょうど回廊から出てきた
男子大学生のグループに遭遇。
放心状態で涙目の男の子も。
なにがあったのー?
帰りたーい。
でも、克服してみたくもあり……。

暗いよこわいよをふき消そうと
朝みたドラマ「あまちゃん」で流れていた
BGMをくちずさみながら乗り切りました。
音楽って、すばらしいですね。
(周辺にいた方、うるさくてごめんなさい)

そのうち、真っ暗で何も見えないけれど、
周囲の気配が見えるような感覚がやってきて、
ガチャガチャ。
錠前らしきものを触って出てきました。

出てきたときには、
一皮むけたような達成感と爽快感が。
(何言ってんでしょう中年が)

しかし前後にワイワイと数珠つなぎに人がいなかったら、
何がなんだかわからなかったでしょう。ふぅ。

古きを訪ねたあとは
門前町を少し離れた裏通りに点在する
雰囲気あるお店をのぞいて
高原へと戻りました。







蔵をリノベーションして
作られた空間にある
古本屋さん・遊歴書房








旅とアートをテーマにした
本屋さん・チャンネルブックス
美篶堂さんのノートや
『世界一美しい元素図鑑』も
ありました。





ご近所にあったら立ち寄ってみたい
さりげない佇まいの花屋さん・つぼみ




いずれも『ことりっぷ』(昭文社)で
紹介されていたところ。
ガイドブックの雑誌化が進んでいることに
ちょっとびっくり。

          (お・し・ま・い)



2013年7月26日 fri.
スロ〜に続いております、へめぐり日記。

さて、野沢温泉をあとにして善光寺に向かう途中、
飯山へ立ち寄ることに。

中心的な観光地があるわけではないけれど、
里山的な景色
(名所)が点在しているという飯山。

村のホテル住吉屋さんの客室に置かれていたファイルにも
飯山の見どころを紹介するリーフレットが。
その景色がどれも穏やかで美しくて、
立ち寄りたくなったのでした。

そこで、日本の棚田百選にも選ばれているというところへ。
えぇ、お米と水田、大好きなんです。


福島という集落の坂道を
のぼっていったつきあたりに
棚田の風景が広がっていました。

その途中にいくつも
道祖神を見かけ、
信州にいることを実感しました。


これはまるでいぶし銀のおじいちゃんに出会ったときのような喜び。
渋い眺めでした。

このあたりは映画「阿弥陀堂だより」のロケ地だったそうで、
すぐそばに阿弥陀堂のセットもそのまま残されていました。


もう何年も前からそこにあるように
作られたセット。
美術さんのお仕事に感服です。


飯山の景色をもう一度味わいたくて
後日、「阿弥陀堂だより」をDVDで見ました。
いささかお行儀のよすぎるようにも感じる登場人物の中で
地元のおばあちゃんを演じる北林谷栄さんが自由で
とても素敵でした。

メイキング映像では、
もんぺ姿にブランドもののサングラスをかけて
リハーサルに臨んでいる谷栄さんに
大女優の風格
(品格)感じました。
美しかったー。泣きました。
              (つづく)


2013年7月19日 fri.
と、栗と北斎の町、
小布施をあとにして向かったのは野沢温泉。
長野県を北上します。
長野県って地図通り長いですねと実感です。

「そのもてなしにホッとする」という評判に誘われて、
村のホテル住吉屋さんへ。

おや、あれ、なんでしょう。
このひっかかるところがひとつもない
落ち着いた感じは。

建物や内装が新しかったり凝っているわけでなく、
アメニティグッズも無駄なものがなく
いたってシンプルでしたが、
充足感ありました。

こういう
(旅館の)在り方もあるんだと、
ちょっと目からウロコです。

気取ったところのない佇まいのよさがあって、
お掃除 (とくに水回り!)が行き届いていて、
気持ちよいのです。

このあと、うちでも
どういう家に住むかじゃなくて、
どういうふうに暮らすかが大切なんだなって
話をしています。
住吉屋をめざそう。
が、ハートの中で小さなスローガンに。
ぽぽぽ。




地元の人たちが野菜を茹でる姿が
名風景ともなっている
源泉スポットの麻釜(おがま)が
窓から見える
好位置のお部屋がとれました。

この麻釜でゆでた野沢菜も朝食に登場。
何ともいえないこっくりしたおいしさでした。




さて翌日は善光寺詣でへ。
ですがその前に急遽、渋いスポットへ出かけることに。
              
       (つづく)


2013年7月3日 wed.
高原の季節がやってまいりました。
そこにいること自体が気持ちいいのですが、
そこを拠点に「へめぐるぞ今年は」。

と、先月、小布施方面へ。

まず、栗のお菓子で有名な桜井甘精堂直営の
栗の木テラス
でモンブラン。
栗好きにはこたえられない味わいにうっとり。

そして北斎の天井絵のある岩松院へ。
畳の上に寝ころんで見るのがおすすめと
ガイドブックに書いてあったけど、
現在は鑑賞方法が変わったようで
長いすがズラリと並んでいました。

さいわいほかにお客さんがいなかったので
そっと長いすの上に寝転んで見ましたよ、鳳凰図。
色が鮮やか!
ぜいたくな時間。
( その後すぐ団体客がドドドとやってきました)

北斎館では、
「ぶどう」「西瓜と包丁」「富士越龍図」で眼福。

小布施をあとにする前に、
これまた栗菓子の老舗・小布施堂がオープンしたカフェ、
ENTOTSU(えんとつ)へも。
栗好きにはいそがしい街、小布施。

ENOTSU
ENTOTSU

円「○」とトツ「凸」を
組み合わせた
梅原真さんデザインのロゴ 。







中村好文さんが
リノベーションした店内、
ファブリックは皆川明さん。






行きたかったところ、すべて回れて満足!
その日の今宵の宿へと向かいます〜。
              
(つづく)


2013年6月5日 wed.
先週の土曜日、杉山亮さんの「初夏のものがたりライブ」へ。
(新宿明治安田生命ホールにて)

子どもだけで楽しむお話会でもなく、
大人だけが楽しむ落語会でもなく、
「ものがたりをまんなかに
 大人と子どもが一緒に楽しめる
 新しい形のエンターテイメントをつくりたい」
と、1年半前の「冬のものがたりライヴ」に続いて
開かれた2回めのライブ。

寄席のようにいろんなお楽しみを……と
今回はゲストが3組。
そのなかのお一人が、藤田浩子さん。

「歌舞伎や能に人間国宝がいるように、
 もし、語りの世界で人間国宝を選ぶなら、
 藤田さんだとぼくは思います」
杉山さんのその言葉にもひかれて、
今回出かけてきました。

藤田さんの、お話が身体にしみこんでいるような
やわらかな自然体な語り、とても素敵でした。

パントマイムのちゅうさんも登場。
パントマイムをライブで見るのは初めて!
プロの見せ方、なんとも楽しかったです。
寄席で林家正楽師匠の
紙切り芸を見たときの楽しさを思い出す。

(そういえば遠い昔、20代のころ、3日間の企画もので
 パントマイム教室に参加したことがあったのも思い出しました。ふふ)


「冬のものがたりライブ」のときも感じたように
子どもと大人の笑い声が 一緒に聞こえてくる空間って
やっぱりいいな〜。
と、今回も楽しい時間を過ごしてきました。

杉山さんの語りもですが、
語りの前のお話
(落語でいうマクラのようなもの)
毎回軽快で楽しみ。
その中で紹介された、
杉山さんのお友だちでもある絵本作家の川端誠さんの言葉が
この日、とても心に残った。
(メモしてたわけではないので、
 
自分なりに言葉を置き変えてるかもしれません。
 
それを含めて聞いてくださいね)

「ていねいというのは、
 気になったところをそのままにしておかないこと」

仕事、家のこと、人とのやりとり……
日々のことすべてに重なる。
うんうんと合点がいく。



2013年5月25日 sat.
今週は「中村好文展 小屋においでよ!」へも。
TOTOギャラリー間にて、6月22日まで)

原寸大の
ひとり暮らし用の小屋が
実際に展示されていると聞いて
楽しみに出かけました。

ギャラリーに着くと、
ちょうどお客さまを見送りに降りていらした好文さんが。
ご本人にお会いできるとは思ってもいなかったのに、
3Fにある会場までエレベーターでご一緒するという
幸運に恵まれました。
メディアを通して拝見していた印象そのままな、
フレンドリーなよい感じの方でした。

そのことは、このあと見た小屋と同じくらい
印象的なことでした。

中村好文さんの小屋 中庭に建てられた小屋。

大きな引き戸も
しつらえられた家具や小物も素敵で
気持ちよかったです。

図面やスケッチの展示も楽しかったのですが、
なかでも「小屋暮らしで欲しいもの(入用なもの)」を
リストしたスケッチがおもしろかったです。
自分たちだったら……
と、あれこれ思い巡らしてみるのがまた楽し。

中村好文さんのスケッチ

家具
暖房器具
履きもの
衣服
調理器具
食器
調味料
お風呂グッズ

のカテゴリーの分かれていたスケッチ。
これは食器のページ。


中村好文さんファンや建築好きの方はもちろん、
シンプルな暮らし好きの方にも
おすすめしたくなる展示でした。




2013年5月24日 fri.
今週は「東京オリンピック1964 デザインプロジェクト」へ。
東京国立近代美術館にて、5月26日まで)

アジアで初めて開催された東京オリンピック。
日本語が読めない外国の人たちがたくさん訪れる大イベント。
そこで、各施設や競技の種類を案内・表示するための
ピクトグラム
(絵文字)が採用され、
それ以降、国際的なスポーツ大会などで
定着するようになった……。

この話をデザイン学校の授業で知ったとき、
「それってユニバーサルデザイン!」と
頭に灯がともって以来、
絵文字のこと、気になってました。

展示では、当時の絵文字の制作・表示ついて
いくつか確認することもできて、
出かけてよかったです。

ところで、会場では
市川崑さん総監督の記録映画
東京オリンピック」も上映されていました。

もしかしたら施設内の絵文字が映るかも?
(実際にどんなふうに案内・表示されてたのか見たい!)
と見ていたら……
一カ所発見して、これまた収穫感。

と、そんな思惑で見始めたのですが、
ついつい引き込まれて止まらなくなりそうに。

そこで、TSUTAYAでDVDをレンタルして、
うちで全部見ました。

市川さんて、ひとが好きというか、ひとに興味があるんだなぁ。
ってことが映像を通して伝わってきて、
見入ってしまいました。

聖火リレー、そして開会式のシーンは
ぼーっと何度でも眺めていられそう。
アナウンサーの潔い言葉にも
静かに感動してしまう。
脚本に谷川俊太郎さんが参加されていたというのも
うれしいお話。




2013年5月1日 wed.
公開当時
(2008年)に読んだ
「刺繍が美しい」というレビューを思い出して、
マルタのやさしい刺繍
(DVD)をみる。

マルタのやさしい刺繍

スイスの小さな村に暮らす80歳のマルタが
友人
たちの協力を得て、
若い頃の夢だった
自分でデザイン&刺繍したランジェリーショップを開く……
というお話。

そんなパッケージの解説と邦題から
ほのぼのした映画かと思っていたら……
たんたんとした中にも
いろんな展開ありまして。

小さな田舎町のやっかいなところも描かれていて、
ほのぼのどころか、これはファイターたちのお話。
だけども、たんたん。
そんなところがいい感じでした。
スイスの小さな村の愛らしい景色も楽しかったですよ。

マルタがランジェリー作りに覚醒していく様子や
おともだちの協力を得て
販売が形になっていくところは
東村アキコさんの『海月姫』のよう。

マルタだけでなく、
自分の置かれた環境の中で
おともだち
(おばあちゃんたち)
それぞれ新しいことを始めていくところも
思わずパチパチ
!(拍手)




2013年4月26日 fri.
(兄の奥さん)のはからいで
母が携帯デビューしました。

メールは追い追いにと思っていたら、
その日の夜、お試し的に送られてきた。
まだ慣れないであろう操作を
一つひとつこなしてる様子が浮かんできて
短い文面のなかにも
愛おしさが巻き起こりまくりです。

ところで、携帯電話業界はすっかりスマートフォンが主流。
「通話やメール(入力)は携帯の方が便利」という人が
私のまわりには少なからずいるのですが、
携帯の機種の激減っぷりと
デザインの力の入ってなさ加減には
仕方ないとはいえ、
めまいがしそふデス。

もう吉岡徳仁さんデザインの携帯なんて
お目にかかれないんでしょうね。
美しくて使いやすいのに。

話とびますが
(つながってるんですが)
大手下着メーカーの女性社員が自らの体験
(感覚)をもとに
胸を小さく見せるブラを開発したところ、
好評だったという記事を読んだことが。

大盛りでない私が言うのもあれですけれど、
その感覚、すごくよくわかる気がします。
これまで「胸を大きく見せる」のが前提だったので
業界では盲点というか目からウロコというか、
しっかり需要があったのです。

シンプルでデザインのよい携帯を作っていただけたら、
需要
(ものすごく小さい!)があると思うのだけど、
携帯業界のみなさま、
よろしくお願いできないものでしょうか。



2013年4月1日
 mon.
先月、東京では桜のスイッチが入りだしたころ、
靴作りを学んでいた
デザイン学校時代からの友人、
石尾美沙紀さんの作った靴を見せていただきました。

石尾美沙紀さんの靴


デザインから縫製・底付けまで
すべての工程を自らの手で。
一つひとつの仕上げが美しくて、
とても素敵でした。

「クオリティは細部の集積」という
佐藤悦子さんの言葉を思い出して
静かに感動してしまいました。

基礎からすべての工程を学んだ1年の歳月だけでなく、
それまでの彼女の仕事も
つながってるように見えました。

この春から、靴作りのお仕事がスタートする美沙紀さん。
オーダーメイドの靴を作りたいという方が
いらっしゃいましたら
(紳士靴から婦人靴までどうぞ!)
私に連絡シテクダサイ。
(というテレビCMがかつて昭和にあった)




2013年3月17日 sun.
以前、石田了一さんのシルクスクリーン
(版画)教室で
ご一緒していた立松智さんの個展へ
12日、出かけてきました。
タンバリンギャラリーにて、17日まで)

版画はなかなかに手間がかかるものなので、
私なんかはどうやって色数をへらせるか
考えながら図案を作ることもあるのですが、
立松さんの作品は色がふんだんに使われています。

それは刷りの技術をあげたいから。
また、いま世の中的に
シンプルなものへと向かいがちな一面があるけれど、
逆に複雑な世界を表現したい。

そんな思いを聞きながら、
たくさんの色や技法が使われている世界を
ゆっくり拝見できました。

立松智さん

紙に限らず、
いろんなものにプリントできる自由さも
シルクの魅力のひとつ。
ガラスにプリントされたこの作品も素敵でした。
ガラスの両面にプリントが施されていて、
奥行きがかもしだされていました。

ところで、このタンバリンギャラリーは
2年前に訪れて以来、大好きな場所。
この日はオーナーのお一人である
糟谷隆さんからもいろんなお話をお聞きできました。

ギャラリーのなりたちをお伺いして、
いつ来ても感じる風通しのよさの
理由をひとつ見つけた気持ちになって、
ますますファンになりました。

気持ちのよい場所に招かれて
よい時間を過ごさせていただきました。



2013年3月9日 sat.
国立科学博物館のミュージアムショップさんから
ご注文をいただいて、
元素の周期表ポストカードを補充。
回転しているようでなにより嬉しいです。

今年の年賀状にこのポストカードのことを書きましたら、
「こんど上野に行ったら買います」
という方が何人もいてくださって、
これまたとても嬉しかったです。
「このあいだショップに行ったとき、
 きれいに並べ直しておきました」
という方も!

ただいま、この周期表ポストカードの姉妹編となる
新しいポストカードを制作中です。

関心のない人にとってはマニアックに映れど、
されど周期表は世界のスタンダード。

しかして、新作はさらにマニアック?
でも、こういうのもあっていいと思う。
これをポストカードにしている人は
今のところ日本には
(世界でも?)いないと思われます。
なにより自分でほしいんだもの、使いたいんだもの。

面白がってくださる方に手にとっていただけたら。
と思い描きながら、着手しております。




2013年3月6日 wed.
身近にナビゲーターがいてくれることもあって、
近頃かなりいろんなジャンルのマンガ、
読んでます。就寝前に。

それにしても何という
このマンガへの才能の集結具合!
面白いものがザクザク。

そのひとつが、
東村アキコさんの『海月姫

海月姫

現在10巻まで出ています

知ってる方にはすでに
話題の人気作でしょうけど
今ごろ失礼しまーす

脊髄反射的に繰り出される
テンションの高さにほれぼれ。

いろんな要素を包み込んでいて
(ビジネス話もあるよ)
とっちらかっているようで、
でもパーフェクト感、あります。
かといって、スキがないとかいうのでなく。

漫画家さんて、
おおまかなラストを想定して
連載を始めるものなのでしょうか?

(作品)によりけりでしょうけれど、
このマンガには
そんな想定枠を感じさせないドライブ感が。

東村さん自身がお話の中で自由に動き回ってるというか、
遊んでるというか、
お話が生きてる感じ。
この先どうなるの〜。
な、持っていかれる感が
実はほかにはない感じかも。

昨年、ずーんとココロに残った『かくかくしかじか
(こちらは美大受験話を描いた自伝コミック)
同様、タダモノでない感が。

ところで、続けて読んでいると、
『三国志』についてちょっと知っておこうかな。
って気分になってきます。フー♪




2013年2月21日 thu.
昨年末からお世話になっている
お医者さまの声が伊集院光さんの声に似てるの。
(顔と体型は似ていらっしゃいませんが)

それだけで初めてお会いした気がしない。
説明を聞いている時間が楽しいです。

そこで思い出した、お遊び心理クイズ。
「恋人にしたい人の条件を5つあげよ。
 で、まったく同じ条件をそなえた二人が現れた場合、
 最終的に何を基準にして選ぶ?」

その人が一番価値を置いているのは
じつは最後の質問の答え……というもの。
この一連の質問、その人らしさが垣間見えて、
なかなか面白いんですよ。

ずいぶん前のことだけど、
友人にこの話をしたとき、
その友人の最後の答えは「声」だった。
音楽が好きで、音感のよい人だったので、
合点、合点、でした。

声が人に与える安心感というか影響って
大きいなぁ。と、実感。

ちなみに私の最後の答えは「顔」でした。ふ。




2013年2月17日 sun.
昨年から進行中のデザイン仕事、
印刷・加工は台湾の工場でしていただきます。

先週、印刷について問い合わせをしましたら、
いまお正月休みのため、
お返事は来週になるとのこと。

おぉ。それはそれは。
待ちましょう待ちましょう。

メールでのやりとりは英語で。
直接顔をあわせて打ち合わせできないので
手探りで進めている部分もあるのですが、

印刷用語についてはこんなサイトもあって、
重宝しました。

ひと昔前と比べると、
ネットでの調べものが格段に便利になりましたね。

先日、うちでムール貝のパスタを作って食べていたときのことです。
む? 
口の中にナイロンの糸がからまったようなものが。
今までこんなことなかったのに。
異物混入?
しかし、よくよく見ると、
貝と強力に結びついています。

それでですね、
食後に「ムール貝 ひも」で検索してみると……
またもすぐさまたどり着きました。

それは「足糸
(ソクシ)」というもので、
海の中で流されないよう
岩などに固定するためのもので、
荒い海では身を支えるためたくさん出すのだそう。

それにしてもスチールたわしのような
人工物とみまがう素材感だった。
自然って人工物を凌駕してると再感。



2013年2月1日 fri.
昨日、駆け足で府中の大國魂神社へ。
なぜ。府中へ?
ちい散歩活動
の一環として。

大國魂神社

うちにありました
ちい散歩2 』によりますと

府中は、645年の大化の改新のあと
武蔵国の国府が置かれたところとな。

すご。

聞きなじみはあれど、
ほとんど訪れたことのなかった街、府中。
「住んでよかった街ランキング」
(たとえばこういうのかな?)
の上位にランクインしていると聞いて、
ちょっと気になっていた街。

駅前には商業施設が集まっていて
お買いものも便利。
一方で、古い味わいある商店街も残ってます。
駅のすぐそばにこんな大きな神社もあるし、
日々のお散歩も気持ちよさそう。
遠くには多摩丘陵も見えます。

ちい散歩2 に紹介されていた
地元の人たちに愛されているという青木屋さんで、
つくりたての焼き団子・草団子を買って帰りました。
すぐにいただくと、もちもちよ。

ゆったりと落ち着いた
ほんに住み心地よさそうな街でした。




2013年1月21日 mon.
ご近所の郵便局へ向かっている途中、
携帯の着信音らしき音が。

はれ? 着信してない。
でも、プゥオーン、プゥオーン。
ますます響きが近くなる、大きくなる。
なんだなんだ。どこからどこから。
何かの実験中? このあたりにナントカ研究所でも?

と思いきや、ブロック塀の上にiPhoneが。
「このiPhoneを探しています。
 下記にご連絡ください」
と表示が出ていたので、
その場で持ち主にご連絡。

「近くの交番にお預けしておきますね」
とお伝えして、交番へ。
あいにく、おまわりさんが不在で、
数分してご到着の持ち主に
無事お渡しできました。

「パソコンで操作して、ずっと探してたんです〜」って。
よかった、よかった。
5分ほどですぐ駆けつけられたあなたも、
もしかしてフリーランス?
と、勝手にシンキンカーン。

道に落ちていたであろうiPhoneを
車にひかれないように
そっとブロック塀に置いてあげていた人にも
ほのぼのとしたものを感じました。
やさぐれてない街で、よかった。
今夜、雨雪の予報が出ていたので、
降る前でよかった。



2013年1月4日 fri.

干支

こんにちは、初もくれんです。
(おぉ、良い響きですな。初釜のごとく)
今年もよろしくお願いいたします。

昨年はハードな一年でしたので、
それでもって1月もいろいろありそうですので、
この機に心身休めようと
ゆったり過ごしたお正月。

和食って、ほんとうにおいしいですね。

お正月といえば、かるた。
読み返しました、『ちはやふる』。

 ちはやふる 競技かるたを題材にしたマンガ。
昨年、出会いました。
現在19巻まで出ていますが、
全編ボルテージが保たれたまま。
作者の末次由紀さんの気迫、感じます。

もうとっくに話題のマンガでしょうが、
おもしろいのです。

かるたクイーンをめざす
主人公・千早
のキャラクターを始めとして
いろんな魅力を合わせ持ったマンガなのですが、
良い大人が登場するところもまた
なんとも良いのです。

千早が子どものころ通ったかるた会の原田先生しかり、
高校のかるた部顧問の宮内先生しかり、
随所に味わいあって、
物語を支えてくれているような気がします。




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